六実さんは、今年5歳となった。
人間でいえば40歳を過ぎたあたりで、健康曲線は下り坂に向かい、そろそろ加齢による不具合も出始める年代であろう。
しかも、六実は平均的なパグよりも健康面に不安を抱える。
治らない病気なら無理な治療はしないが、早期発見で完全治癒が見込める病気ならば、絶対治したいのが飼い主の心情である。
そこへ...かかりつけの動物病院からタイムリーなハガキが届いた。
特別血液検査特別割引キャンペーン!
Aコース 11,800円
血液内臓系検査(フル検査):一般血液検査・甲状腺ホルモン検査
Bコース 10,500円
血液内臓系検査(部分検査):一般血液検査・甲状腺ホルモン検査
Cコース 7,800円
血液内臓系検査(部分検査):一般血液検査
このテの検査は、基本的に最低限の検査だけ受けて、そこで何かしら異常が見られた場合に精密検査を受ければよい。
中には、普段しっかり健康管理をしていれば、余計な検査をして、犬に不要なストレスを与えることはない...と言い切る愛犬家もいる。
そうなのだろう...
しかし、この2020年という異常な1年を振り返って、ぷあくんはいささか弱気になっている。
我が子・菜々、そして多くの仲間のパグ達が旅立つのを見て、万一にも「あの時、検査を受けておけば助かった」という後悔だけはしたくはないのだ。
ハガキには、ご丁寧に血液検査以外のレントゲン・心電図・超音波・尿検査が、通常の20%OFFで受けられるとある。
正直...費用などどうでもよく、キッカケと気持ち…そしてその意義の問題である。
結果的に、異状なしであれば「安心料」として格安の買い物となろう。
異常があっても、早期発見早期治療で大事に至らなければ、これもまたよし...である。
万一、極度の異常が発見され、それが完治不能な難病であれば…苦痛を伴う無理な治療は拒否し、覚悟を決めて大切な残りの時間を有効に過ごすことも出来よう。
ただ...すべての愛犬家に二の脚を踏ませるのは「検査当日の朝ゴハン抜き」「長時間の慣れない場所での拘束」「ストレスのかかる検査」という「確実なマイナス」ではなかろうか。
もし、このストレスを避けた後に異常が確認されて、慌てて検査を受けた場合、どれだけの確率で手遅れとなるのだろう...
その確率が…諦められるほど小さいならば「確実なマイナス」の方を避けたいのだ。
常に、六実の姿が脳裏をよぎる...
六実の皮膚病の診察と併せて、獣医師にドッグドック受診について、かくかくしかじかの質問をしてみた。
めんどくさい素人のゴタクを、嫌な顔もせずに聞いてくれた獣医師は、ぷあくんの考えに一定の理解を示しつつも、こう言った。
「今、検査を受けても恐らく異常なしで終わるでしょう。しかし、健康な状態の検査結果及び数値を残しておくと、将来身体機能に不具合を生じた時に、極めて有用な比較データとなるのです。」
なるほど...
それならば、一生に一度の「データを残すための検査」と割り切って、1日...いや半日だけ、六実さんには耐えてもらうべきか...😔
ぷあくんは、その場で検査の予約をした。
もちろん、Aコース+レントゲン+超音波+尿検査のフルコース(ドッグドック)である。
※心電図検査は、聴診器での簡易検査で精密検査不要との判断を頂いた。
六実さんのドッグドックは11月3日と決まった。
しかし、正式に決まってからもなお、一抹の迷いを抱える...未練がましいぷあくんであった😢