深夜…何度も目が覚めて、菜々を見る。
もう流動食も水も受け付けず…呼吸だけしている。
弱々しく横腹が膨らんでは、萎み…それだけが菜々の命の証として続いている。
少しずつ静かになっていく…
命の灯火は、わずかな空気の流れにも抗えないほどに心細く揺らめいて…それでも、持ちこたえている。
シン…とした闇に包まれて、小さな命がありのままにその運命を迎えようとしている。
ゴンチは、そんな菜々の身体と心に寄り添い続けている。
16年間の絆を想い、見守るしかない時間が過ぎてゆく…
ふたりとも、もう十分に頑張ったよ…と言ってあげたいのだが…