愛犬を失う苦しみは筆舌に尽くせぬ。
濁流の悲しみに翻弄され、真空の虚無感にさいなまれる。
ポカーン…とした非現実的な世界に佇む自分を、身体の外から他人のように眺める。
そして…過ぎ行く時間と共に、徐々に現実の世界に引き戻され、心が身体の中に戻ってゆく。
四十九日とはよくしたもので…2ヶ月近く時を経ると、愛する者の「死」を理解出来るようになる。
悲しみが癒されるワケではないが「もう、いないんだな…」という現実を受け止める。
しかし、その後も…何度も喪失感を味わう。
日常に身を委ねてルーティンを繰り返すなかで、無意識に振り向いて愛犬の姿を探す瞬間がある。
当然居ると思って目を向けた場所に、その姿はない。
その瞬間…再び、愛犬を失う。
そんな…静かな絶望の瞬間を何度も繰り返し…いつしか愛犬の姿を求めて振り向くことはなくなる。
飼い主の心から、生きている愛犬がいなくなる。
これは、愛犬の…二度目の「死」なのだろうか。
それは「死」ではない。
完全に飼い主の心身の一部となったのだ。
もう、振り向く必要がなくなったのだ。
愛犬の生きた姿を求めなくなった人間は、亡き愛犬と共にしっかりと前を向いて、新しい出会いを受け入れることが出来る。
愛犬は、姿がなくなっても…飼い主の中から離れることは、永久にないのである。
-おしまい-
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