東海パグオフ会翌日に休暇を取っていたぷあくんは、六実を連れて久々に「桜の公園」へ行ってみた。
菜々に…最後の点滴通院をさせた日、六実と一緒に来た場所である。
その日は…とてつもない猛暑だったので、早々にバテた六実さんだが、今回は秋の涼しい風に吹かれてゴキゲンな様子。
てくてく
あの日、菜々は人間のエゴで、なすがままに病院に連れていかれ、意味のない処置を…苦痛と共に受けた。
獣医師は、菜々の命はもう数日もない…ということは、当然わかっている。
それでも、助けを求めて愛犬を連れてくる…見苦しい飼い主。
ただ…ただ、ウジウジと諦めきれなかった。
深緑の桜の樹の下を、なすすべもなく…泣きながら歩いたことを、昨日のことのように思い出す。
青い空の下に映える芝生が美しい✨
過ぎた日々は…時に記憶の中から唐突に姿を現して、幸せと悔恨をもたらす。
透き通るような秋の空気が、世界を包む。
愛する存在を失い、あとに残された人間と犬は、とぼとぼ歩き…その先を見上げる。
あの日…姿を見せてくれなかった富士山が、時の経過を知らせるかのように季節の衣替えをして、優しく佇んでいた、
菜々と歩いた散歩道のむこうに…