六実が産声をあげたのは、2015年9月17日。
聞くところによると、東北地方のブリーダーで生まれ、生後間もなく他の子犬達と共に業者のトラックに乗せられ、全国各地を回っていたようだ。
立ち寄った先のホームセンター等の一角を借りては、子犬の販売会を催し、期間が過ぎれば売れ残った子犬達を引き連れて、次の目的地へと向かう…という日々を過ごしていたようだ。
まさに、行商…
業者には詳しく聞かなかったが、六実はどれくらいそんな日々を過ごしていたのだろう。
訳も解らず母親から引き離され、暗いトラックの荷台で、どんな気持ちでいたのだろう。
2015年12月某日。
富士市の某ホームセンターで子犬の販売会が催されることを、新聞の折り込み広告で偶然知った。
ゴンチとぷあくんは、何気なく広告のホームセンターを訪れたのだが、そこには到底パグには見えないパグがいた。
後の六実だった…
ちょっと大きめのハムスターかと思うくらい小さくて、顔は明らかにパグではなかった。
「こんな子、飼ってくれる人いるのかな?」
…と、心配になったのが運の尽きだった。
「販売会最終日まで残っていたら、うちで飼おうか…」
縁を試すように、二人でそんな決めごとをした。
そして、最終日 -2015年12月20日-
しっかり売れ残っていた💦
二人で苦笑して、販売員さんに告げた。
「この子を、ください!」
その一時間後、六実は我が家に迎え入れられた。
到着直後の六実
菜々と並ぶと、その小ささが際立つ💦
初めての環境に、最初は戸惑っていたが、しばらくすると本領の片鱗を見せ始めたのだった。
オラオラ!
それから、もう5年が経とうとしている。
もし、あの日、あのホームセンターで出会っていなければ、六実はどんな人(犬)生を過ごしていたのだろう。
六実と二人で散歩をしていると、時折そんなくだらないことを考えてしまう。
六実が言葉を話せたなら、きっとこう言うだろう。
「アラブの王様のところでお姫様生活してるわよ!」
今朝の六実も元気一杯だった。
なによりの、親孝行である。